守られて、愛されて。
あの日から、毎日のように祐一さんはやって来る。
あれから郁萌さんとの食事も断り、仕事でも会わないようにして避けている。
仕事から帰ると部屋には彼がいて、毎日……そういう行為をしている。
「花奈ちゃん、ごめんね……もうこれっきりにしよう」
「え……祐一さん、だけどこれは、母からの命令だし」
お母さんの命令は、絶対だ。
「……俺、好きじゃないやつを抱くほどいい奴にはなれないんだよ」
「………」
「俺も逆らえなかった、こうするしか手段がなくて……だけどもう終わりだ。もうすぐ君の王子様が来るよ」
祐一さんがそう言ったと同時に下が煩くなる。何かあったの……かな。
「花奈ちゃんっ!もう、大丈夫だよ……ごめん」
「ど、どうして……」
「話は後にしよう、祐一も来るよな? 美香ちゃんもいるよ」
一体、郁萌さんと祐一さんはどういう関係なのか分からないまま……彼らに連れられて下に降りた。
「あなた、どうしてこんな……後継者を産むって約束したじゃない!? 嫌だからって武智さんに助けを求めるなんて─︎─︎」
「……花奈ちゃんではない、俺が助けを求めたんですよ」
「ど、どうしてよ……!! なぜ、そんな」
私は、彼らで繰り広げられる口論に黙って見ることしか出来なかった。
最後、家から出る前に郁萌さんは「上条さんは自分のことを心配されたらどうでしょう?」と言った彼はとてもカッコ良くみえた。