死んでもあなたに愛されたい


あたしが……?


異質な目の色を探るように、赤羽くんは真っ直ぐ見据えてくる。




「あ、あたしは、別に……」


「さようですか。あ、それから、ぼくに敬語はけっこうですよ」




大変って、何のことを指してたんだろう。


思い当たる節が、ない……わけじゃない。

単に、あの白い目に、あたしまで道連れになることを案じてくれたのかな。




「ひとみ様は、あのおふたりに混ざらずよろしいのですか?」


「赤羽くんこそ」


「ぼくはあくまで用心棒なので。お護りできれば、それでいいんです」


「そうなの? あたしは……まだ、いいかな」




ただクレープを買っているだけみたいだし。

ここであたしも参戦したら、よけいに目立つ。




「ただし、あれ以上つぅちゃんが近づいたら、問答無用で引きはがしに行くけどね!」


「ひとみ様は彼のことになると豹変しますね」


「豹変? してるかな?」


「え、自覚なしですか? 彼の前ではあざとかわいい真似をして、それ以外ではわりとサバサバ、ツンツンしているじゃないですか」


「うーん……それはたぶん、豹変してるんじゃなくて、気持ちを態度に表してるだけだよ。やっぱり好きな人にはかわいく思われたいじゃん?」



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