死んでもあなたに愛されたい
「最近やっと、確信を持てた」
「な、何が、……何の、」
「スイレンさんの話には続きがあったの」
彼女が子どもを託したという、とある神社。
そこは元々、彼女の夫が継ぐ予定だった。
しかし、優秀さを評価され、夫は本家に従事することになり、神社のほうは彼の弟が代わりに継ぐことになった。
その神社に捨て置かれた赤ん坊を、弟が見つけたとき。
たいそうおどろき、涙したそうだ。
「子どもは産まれたばかりだというのに髪が白く、明らかに巫女の血を強く受けて産まれた子だった。弟さんはすぐに察して、その子どもを育てる決心をしたの」
「……!」
「もう、わかったでしょう?」
スイレンという名の、女性。
巫女から産まれ、神社に捨てられた、髪の白い子ども。
見て見ぬふりをするには、あまりにも……。
「ま、まさか……」
「そうだよ。その子どもの名前は――魁運。あの、カイウンさんなんだよ」
あまりにも、必然がありすぎた。
「魁運は、このこと……」
「知らないと思うよ。……まだ知らないでいるから、傷ついてないだけなんだよ」
「え?」
触れあっている手のひらが、熱いのか冷たいのか、マヒしてくる。
震えをごまかすように、つぅちゃんの手が力んだ。
「やっぱりわたしにも、本家の血が流れてるのかもしれない。……だって、わたしは、お父様みたいに許せない。わたしにとってひぃちゃんは何よりも大切なの。大切で、大切で、ぜったいに傷ついてほしくない」
「わかるよ、あたしだってそう思ってるよ。でも」
「カイウンさんと永遠を誓うくらいなら、白雪の家に戻って」
わか……らない。
それはさすがにわからないよ。どゆこと。