死んでもあなたに愛されたい



「カイウンさんと一緒にいたら、きっと傷つく」


「な、なんで」


「スイレンさんに呪われてるんだから」




答えになってない。



母親が憑りついていることは、とっくに知ってた。

魁運にも打ち明けた。


でも、傷ついてないよ。


あたしはずっと好きなんだよ。




「……何の因果なんだろうね。これも運命なのかな」


「つ、ちゃん……?」


「スイレンさんや彼女の夫が亡くなった元凶はね、白雪組を追い出されたヤカラだったんだ」




ドクン、と鼓動のリズムが狂いだす。



だって、まさか、思わないじゃないか。

ここまできて、白雪の名前まで出てくるなんて。




「白雪組だった人間のせいだったから、白鳥家は、お父様の……白雪組の同盟の話を受けたんだよ」


「え……」


「元凶である連中はすでに白雪組とは関係なかったとはいえ、白雪組だった人間の罪を、白鳥家の汚点を、この世からもみ消すにはお互いに都合のいい相手だったの」




それが白雪組と白鳥家が手を組んだ理由のひとつ……。

そんな裏事情、知らなかった。知るよしもなかった。



あたしと、魁運。


あたしたちが知らないだけで、いくつものつながりがあったんだね。



うれしさや幸せだけじゃなく、悲しくて苦しいつながりも。


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