死んでもあなたに愛されたい
「げ、元凶の人たちは、どうして、白雪を追い出されたの?」
「ヒトとして、してはいけないことをしたの。当時の組長が見捨てても、連中は私利私欲に走り、運よく白鳥家の情報をつかんでしまって、巫女の力を手に入れようとしてる」
「……してる、って」
「……うん。今も、だよ。前に、繁華街や秋祭りで狙われたことがあったでしょ? それも、その連中のしわざ」
あれは、あのタチのわるい攻撃は、ウチがやらかしてるんだとばかり思いこんでいたけど……ちがうの?
スイレンさんを、魁運の両親を死に追いやったヤカラが、今もなお、巫女の能力を狙っているなら。
「あたしよりつぅちゃんのほうが……!」
「ひぃちゃん」
「っ、」
「実害でいえば、たしかにわたしのほうが負うかもしれない。でもね、わたしは慣れてるから。言霊の力を狙ってるのは彼らだけじゃない。だからこの境遇を受け入れてるの」
そうだ。あたしとつぅちゃんは、ちがう。
似て非なる相違。
思いも、在り方も、おそろいにはできない。
それほどの覚悟が、妹には、在る。
「だけど、呪いとヤカラは別物。もし、スイレンさんの呪いを抱えた彼に、真実を知られたらどうなると思う?」
「そ、それ、は……」
「彼女が今もなおカイウンさんに取り憑いているってことは、彼女はずっと憎んでる。幸せをぶち壊しにした、元白雪組のならず者たちを。原因を作ってしまった、巫女の能力を」