死んでもあなたに愛されたい






土曜日、早朝。

雲ひとつな……くもない、晴天。


清潔に整えた制服は、今日に限っては出番が少なめかも。





「……うん、おいし」




いつもより早く起きて、早く身支度を済ませ、早くから朝ご飯当番もきっちりこなす。


お味噌汁はすっかり永鳥家の味。

あたしが嫁になる準備もばっちりだね!




「はぁぁぁよ、ひとみぃ……」


「お、おはよ魁運!」




ばっちりじゃない寝起き魁運の登場だーい!



開いていない目と、ノーセットの髪。

かけちがえたシャツのボタン、そして、腹チラ。


ご飯食べてないけど、すでにごちそうさまです! エネルギーチャージ満タンです!




「きょお、はえーのな……」


「う、うん! 体育祭が楽しみでつい、ね」


「ごはんもおいしそ」


「ほんと? 味見する?」




こくんってうなずいた! かわいー!

舌足らずな言い方もめずらしいね。まだ見せてないギャップがあるなんて聞いてないよ!



内心興奮をおさえながら、お味噌汁をひと口分すくいとる。

ふーふー、冷ましてあげたが、魁運にはまだ熱かったようで。




「あっちゅ!」




……はい、キュン。



あたしの母性をいじられまくった挙句、引きずり回された。そんな庇護欲たっぷりな気分。


ふたりの子どもはこんな感じなのかな~、なんて妄想までたどり着いちゃったよ。無理。好きが止まらん。


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