死んでもあなたに愛されたい
「熱い、けどおいしかった」
「目、冴えた?」
「ああ、完全に」
少し恥ずかしそうにする魁運に、笑みがもれる。
やっぱりいつもの魁運も最高にかわいいなあ。
「お弁当つくったから、お昼一緒に食べようね」
「……弁当箱、ひとつしかないけど?」
おかずを詰め終えた、黒のお弁当箱。
それは魁運の分。
あたしのは……。
「この前、ひぃちゃんが言ってたから」
「何を」
「帰り際、あたしの分のお弁当はこっちが用意するから、って」
「……本気で来る気かよ」
「いや?」
「いやじゃねぇけど……」
「けど?」
「…………ひとみとの時間が奪われんのは、いや」
公認ヤキモチ!!
むっと口を曲げて、一歩半すり寄ってくる。
お味噌汁さえも甘くしちゃいそう。
もっともっと独り占めしてくれてもいいよ? 待ってるね?
「えへへ~」
「ひとみ?」
「好き~!」
「……ん、俺も。好き」
さりげなく魁運の肩口に頭をかたむけてみる。
さらりと髪をすかれ、ドキドキした。
夢の中よりずっと、夢心地。
「今日は髪、なんもしねぇの?」
「ちょっと迷ってて、とかしたまま放置してるんだよね」
「髪型?」
「うん。いつもと同じでもいいけど、運動するし、動きやすいポニーテールにするのもいいかなって」