イケメン拾った!魔法を隠して慎ましく?スローライフ…できてない!!
「へー、ライアンは24歳なんだ」

腹も満たされ、マキアージュとの会話が続く。
15年前に拾われ育てられた話、生き抜けるよう厳しく育てられたからここでも暮らしていけると。
そんな話を聞いて居るとあることが頭をよぎる。自分の任務のことを…

時期もあってる。この容姿。
でも偶然じゃないかと言う否定も半分ある。死にかけたのを助けられたのだ。

「……どうかした?」

首をかしげる仕草はやっぱり妖精。

「いや、すまないマキアージュ。お願いがあるんだ。俺をもう少しここに居させては貰えないか?まだ国まで命を持ち帰れる体力がありそうにないんだ」

これは半分ほんとの半分嘘だ。

もう少し見定めなければならない、本来の目的の対象なのかどうかを……
違っていてほしい。俺の気持ちは純粋にそれを願って恩人としてマキアージュを見つめた。
俺の金色の瞳は女性を惹き付けやすい。
見合いの話は山のようにあるが今はそれどころではなかった。
剣を磨き文を極めて南領を、父を助けたいのだ。

「いーよ、いつまでいても」

そう、この瞳は容易い。

「ありが……」
「ただし!」

ピョンとベッドから飛び降りると腰に片手を当ててピシッと指先を俺に向けてにやっと笑う。

「働かざる者食うべからずだからね」
「あ…あぁ」

その笑みは…ライアンに向けられた恋色ではなかった。
例えた妖精とは程遠い実に腹黒満載の真っ黒色だったのである。
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