だから、言えない
*
次の日、佐山さんは
ちゃんと出社していたからほっとした。
これから雨の日は
タオルを二枚持っていくことにしよう。
お昼過ぎ、村薗先輩と飯田さんは外出、
片林さんと佐山さんは見当たらず、
部屋に塚尾さんと私だけになってしまった。
「竹本さん」
「うん?」
「11番のカタログあります?」
「その棚にない?」
「ないから聞いてるんですよ」
私は机の一番下の引き出しを開けた。
「うーん、私も持ってないな…。
待って、倉庫から取ってくる」
ちょうど眠くなりそうだったし、
動いた方がいいと思って、
私が取りにいくことにした。
1階へ下りると倉庫へ繋がるドアががあいていて、
声が聞こえてきた。
「で、体調の方はもう大丈夫なのか?」
この声……