だから、言えない





次の日、佐山さんは
ちゃんと出社していたからほっとした。

これから雨の日は
タオルを二枚持っていくことにしよう。


お昼過ぎ、村薗先輩と飯田さんは外出、
片林さんと佐山さんは見当たらず、
部屋に塚尾さんと私だけになってしまった。

「竹本さん」
「うん?」
「11番のカタログあります?」
「その棚にない?」
「ないから聞いてるんですよ」

私は机の一番下の引き出しを開けた。

「うーん、私も持ってないな…。
待って、倉庫から取ってくる」

ちょうど眠くなりそうだったし、
動いた方がいいと思って、
私が取りにいくことにした。

1階へ下りると倉庫へ繋がるドアががあいていて、
声が聞こえてきた。

「で、体調の方はもう大丈夫なのか?」

この声……

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