値札人間
孤立
翌日、あたしはクラス内で孤立していた。


誰に話しかけてもクスクスと笑われるだけで相手にしてくれない。


仲良くしていたヤヨイまで、あたしから遠ざかってしまった。


「一緒に勉強をしよう」


と声をかけてみても、ヤヨイは「ごめん。やめとく」と短く返事をして、他のクラスメートのところへ行ってしまう。


バレー部のアキホに運動を教わろうとしても、似たような感じて断られてしまう。


教室にいる時間は苦痛だった。


みんながあたしを見て笑っている。


「アンリ、行こうか」


ようやく放課後になってイブキに声をかけられたとき、あたしは解放された気分になった。


イブキへ笑顔を向けて勢いよく立ちあがる。


誰もあたしの相手をしなくなっても、イブキだけは変わらない。


イブキはあたしのことを数字では見ていないのだ。


それに比べてゴウは……。


あたしは友人たちと会話しているゴウへ視線を向けた。
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