値札人間
ゴウは数字が見え始めた途端、あたしを見て笑うようになった。


言いたいことがあるなら言えばいいのに、なにも言わないままただ笑っているのだ。


きっと、あたしがゴウからの連絡を無視し、一方的に別れたのが原因だと思う。


今になって地味な仕返しをしているのだ。


あたしはすぐにゴウから視線をそらせた。


ゴウがあんな人だとは思わなかった。


早い段階で別れていて正解だったのだ。


あたしはそう思い、イブキと手をつないで教室を出たのだった。
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