値札人間
「なにこれ」


手の甲で目をこすり、流れ出る鼻水をティッシュでかむ。


突然訪れた体調の変化にあたしはよろよろと立ち上がった。


そうだ。


こんなところでのんびりしている暇なんてないんだ。


学校へ行かないと。


花から離れてようやくそれを思い出したあたしは、目の痒みに涙を流し、くしゃみをしながら歩きだしたのだった。
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