【短編】恋愛モルモット~恋の価値観~


翌日学校で会っても、宮城は変わった様子はなくて。

相変わらずの一匹狼で、仏頂面で、モテ具合。


……本当は昨日みたいに微笑むことができるのに、なんでなんだろう。

人が嫌いなのかな。


あたしがチラチラと視線を向ける先で、宮城は昨日から読んでいる新撰組の本を読み進める。

分厚く、字も小さいあんな本を半分近く読んでる宮城に感心してしまう。

……歴史が好きなのかな。

ってゆうか綺麗な手してるなぁ……

大きくて、指が長くて……でも、骨張ってるところが男だって事を伝えてくる。


「……言いたい事があるなら言え」

「えっ」

「さっきからチラチラ見てるだろ。……気が散る」


不意に掛けられた声にビックリしながらも、見ていたのがバレていた気まずさに少し恥ずかしくなる。

いや、別に好意があった訳じゃないんだけど……なんていい訳したくなってしまう。


「歴史、好きなのかなって」

「……そんな事聞いてどうすんだ?」

「だから聞くまでもないかなって思って黙ってたのに、聞けって言ったのは宮城じゃん!」

「……」


あたしの言い分に納得したのか、宮城は横目にあたしを捕らえてからその問いに答える。

じろっと見つめられた訳じゃないのに、捕らえられるとドキっとして動けなくなってしまうような宮城の瞳。

深い色を映し出す瞳に、自分の姿を映し出されていると思うとなんだか緊張する。


宮城の瞳に、あたしは一体どんな風に映ってるのかなって……少し、緊張してしまう。


「好き……なんだろな。この手の本は結構読み漁ってるからな」

「なんだろうなって……自分の事じゃないみたいな言い方だね」

「読んでいて楽しいって感じる事が好きって事なら、好きだな。

俺はあまり好き嫌いのない人間だから、飛びぬけて好きって感覚がよく分からないんだ。

得意不得意はあっても、不得意のものが嫌いかって聞かれれば嫌いではないし。

その辺の感情がよく分からないな」


……宮城ってどうゆう思考回路してんだろ。

早い話が嫌いなものがないから、特別好きって思う事もないって事?


……やっぱり宮城の言う事はよく分からない。


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