【短編】恋愛モルモット~恋の価値観~
「……あたしにはよく分からないんだけど。
教科とかじゃなくてもさ、人は?
例えば、同じ事をしててもある人とした時だけ特別楽しくなったりしない?」
「さぁな。俺、普段から人と群れないから」
「……ごもっとも」
じゃあ好きな人もいないけど、嫌いな人もいないって事なのかな。
宮城の中で、このクラスの人はみんな同じ位置づけにいるって事?
男女関係なく??
ってゆうか、もしかしたら宮城は友達とすら分類してないのかも。
……なんかそんな感じもする。
うーん……やっぱり分からない。
『あたし、昨日あの本買っちゃった』
『え、嘘っ! ずるい』
今日も聞こえてくる、ドアに張り付いた女子からのヒソヒソ話。
好きって言うよりも……まるでファンだ。
宮城ファン。見ているだけで満足、みたいな感じに近い。
え、ってゆうかこの新撰組の本買ったの?!
もったいない……
毎日のように宮城を見ては騒いでる2人組の女子の姿にため息をついてから、当の宮城を見る。
今日も宮城はそんな女子を気にする訳でもなく、歴史書をもくもくと涼しい顔をして読んでいた。
最初は『気取りやがって!!』って頭にきたりもした、宮城のこの態度。
だけど、多分宮城は本当に気にしてないんだ。
周りなんて気にしないし、どうでもいいんだ。
好きか嫌いかもよく分からないなんて……宮城って絶対恋愛方面疎いな。
だから、こんなあからさまに騒がれてるのに我関せずなんだ。
なんか納得……
.