【短編】恋愛モルモット~恋の価値観~

 ※※※


「……構って欲しいならそう言え。ただ頭をぶんぶん振られたってどうして欲しいんだか分からないだろ」

「えっ……いや、構って欲しかったんじゃないよ。

こう……記憶を抹消してただけ」


昨日の公園。昨日と同じベンチ。

離れようしない宮城の微笑みを頭から振り落とそうと頭を振ってたら宮城に変な目で見られてしまった。

振り落とそうとしてたのに……あたしの返事に困ったように笑う宮城に、あたしの頭はまたそれを記憶してしまう。

「困った奴だな」なんて言いながら、ふっと浮かべた微笑みが……あたしの中に新しく記憶されてしまう。

消去ボタンは何処……


本当に困った状況に、横目に宮城を見る。

宮城は相変わらず涼しそうな顔をして、何をする訳でもなく噴水なんだか空なんだかを見つめていた。


堅物だけど……くそぉ、確かに顔はいいんだよね。

だから変な感じになっちゃうんだよね、あたしが。

ってゆうか、女に興味ないんだったらこんな顔してなくったっていいのに……

天は二物を与えずってこうゆう事なのかな。

顔はいいけど、性格がそれにそぐわないっていう……


「あぁっ!!」


宮城の横顔をこっそり眺めていたハズのあたしが思わず大声を出してしまったのは、宮城の向こうに見える景色が原因。

5メートル間隔で置かれてるベンチ。

あたし達が座ってるベンチの2つ先でカップルがキスしているのが見えてしまって思わず……


そんなあたしを何事かと見た宮城があたしの視線の先を追って……小さくため息をついた。

……多分あたしに呆れてるんだろうな。




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