【短編】恋愛モルモット~恋の価値観~
「他人との粘膜の接触なんてもっとも避けたい行為だな」
「……キスって言ってくれない? 宮城の言い方だと本当に気持ち悪く思えてくるんだけど。
しかも事務的行為に聞こえてくる」
「事実を言っただけだろ。何が悪い。俺は例え仕事だとしてもしたくないけどね。粘膜接触じゃなくても、他人自体にあまり触れたくない」
「悪いとかじゃなくてっ……仕事とかでもなくて!
もう……なんで分かんないかなぁ。
ってゆうか、キスとかだって好きな人とならすごく幸せになれる行為なのっ!
それをそんな風に化学みたいな言い方しないで欲しい。勉強じゃないんだから。
好きな相手だからこそ自然としたくなる事であって、義務でもないんだからね?」
宮城に性欲って文字はないわけ?
年頃の思春期の男子高生がキスしたくないって!!
どんだけなの?!
クールビューティーもここまで来るとちょっとおかしいって。
不貞腐れたように言うあたしを、宮城は表情を崩さずに見つめる。
少しだけドキってしちゃうんだけど……でも、あたしも負けじと宮城を見つめ返した。
「理屈じゃないって事?」
「あ、そう!! それ!!
恋愛感情は理屈じゃないんだよ。だから、宮城の中にお得意な理屈じゃ片付けられない感情が生まれたら、きっとそれが恋なんだよ」
我ながら上手い事言ったと思って自信気に微笑んでいると、宮城がそんなあたしを見て苦笑する。
「……なに?」
「いや……里咲は本当に恋愛関係の話をする時生き生きしてるなって思ってさ」
「……どうせ恋愛バカだって言いたいんでしょ。
そんな恋愛の事ばっかり考えてないで、学校の勉強しろとでも言いたいんでしょ」
「いや……」
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