【短編】恋愛モルモット~恋の価値観~


余程面白かったのか、宮城は軽く目の辺りを片手で覆いながらまだ苦笑していた。

苦笑? いや、普通に笑ってるのかな?


そして――――……

宮城はその手の間から優しい瞳であたしを捕らえた。


「そこまで一生懸命に力説されると、もしかしたらまんざらでもないかなって思えてくる。

里咲といると楽しいよ」

「……――――っ」





……いやいや。別に深い意味なんてない。

うん。

だって、宮城だよ? あるハズない。ないないない。


……ないんだってば。

ないんだから、こんなドキドキしなくていいんだってば。


恋愛経験が少ないからって……宮城にまで反応しちゃうあたしの胸は、どうかしてる。


勘弁してよ。相手宮城なんだってば。

顔だけが取り得なんだってば。

歴史の本がお友達なんだってば。


理屈っぽくてとてもじゃないけど無理なんだってば。


ってゆうか!!

あたし、先輩が好きなんだってば!!


なのに……

なのに、なのにーーー!! ……なに、このドキドキ。

なに、さっきの胸キュン。


宮城に胸キュン……日本語にインド語合わせるくらいに合わないし。


ああ……ああ! そっか!!

ギャップかっ

宮城のギャップのせいかっ


そうだ、そうだ。

普段優しくない人が少し優しくするだけでいい人に見えるっていうあの不思議効果か。

なんだ、なんだ……


それでぐっときちゃった訳か~……って!!

ダメじゃん!!

ダメじゃん! ぐっときちゃ!!


ぐっときちゃったら……それって――――……

それってさ……



ないないないないないないないないないないないないっ!!!


「!!!」


またしても頭をぶんぶんと振っていると、宮城の手に頭を押さえられた。

いつも本を持っているあの大きな手があたしの頭を覆うように押さえる。


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