【短編】恋愛モルモット~恋の価値観~
「あの……宮城?」
頬へと手を移した宮城に、あたしはびくっと肩を揺らして訴える。
……だけど、宮城はあたしを見つめたまま、頬を撫でた。
「へぇ……やっぱり顔もパーツは一緒だけど、俺とは肌の触り心地も違うんだな」
じっと……本当にじっと見つめられてしまって、あたしの身体は魔法がかけられてしまったように動くことを封じられてしまう。
あたしを見つめる宮城の瞳は、いつもの無関心な瞳ではなく、すごく興味を示していて……その視線はあたしの唇を捕らえる。
「!!! ……―――― ストップ!! 宮城!! 無理!!!」
「?」
どん、と宮城の胸を押して顔を背けたあたしは、やっと身体へと酸素を取り入れて落ち着きを取り戻す。
いや、取り戻す努力をする。
……なに、今のは。
ってゆうか!! なに、この異常なドキドキはっ!!
ってゆうか……
ってゆうか……ってゆうかぁ……
「里咲、どうかしたか?」
本当に何も感じていない様子の宮城に、あたしはやっと落ち着かせた胸に手を当てながら、疲れきった表情を向けた。
「どうかしたか、じゃないよ……」
「?」
「さっきみたいに……髪触ったり、顔触ったり……そうゆうのは好きな人にしかしちゃダメなんだよ」
「誰が決めたんだ? そんな事」
「誰が決めてなくても常識なの!! 恋愛界の常識なのっ
新撰組になんで沖田総司がいるのかって聞くぐらいに愚問なのっ」
新撰組の例えに、宮城はやっと納得したようで。
……別にそこまで徹底されてる事でもないんだけどさ。
思いっきりあたしの恋愛感なんだけど。
でも宮城はあたしにコーチャーを頼んだくらいだし、別にいいや。
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