【短編】恋愛モルモット~恋の価値観~


「なるほどな……。分かったよ」


納得の言葉をもらした宮城にやっと安心して、崩れ掛けていた体勢を整える。

まさか宮城相手にこんな身の危険を感じるとは思わなかった。

……って、あたしも大げさだけど。


「ってゆうかさぁ……宮城、他人自体に触るの嫌だって言ったばっかりじゃん。普通に触ってるし」


あたしの言葉に、宮城は表情を少しだけ崩して……あたしを見る。


「確かにそうだな……触れたり触れられたりするのは好きじゃないのに……

なんでだか、今はそういった考えは浮かばなかった」

「……本の読みすぎで疲れてるんじゃない?」

「……そうかもな」


本当にあたしの言った事をそのまま聞き入れたのかは分からないけど、宮城はそれからその事は口にしなかったから、あたしも何も言わなかった。

そんなの追求したところで、また宮城得意の理屈節が繰り出されるに決まってるんだから。


しかし、心臓に悪いっ


 
 ※※※



「杏奈、何見てるの?」


体育の時間。

体育館の下の窓からグランドを見ていたあたしに、友達の夏美が話し掛けてきた。


うつ伏せに寝転がりながら頬杖を付いていたあたしの隣で、同じポーズをとった夏美があたしの視線の先にあるモノを発見する。


「あ、なんだ、男子の体育じゃん。へぇ、バスケかぁ」

「……」


体育館では女子のバレー。

グランドでは男子のバスケ。

一応、球技選択っていう体育の勉強のハズなんだけど、その実態は自由時間に近い。

先生は授業の開始と終了に出てくるだけだ。

ゆるーいゆとり教育の現実ってやつ?


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