【短編】恋愛モルモット~恋の価値観~


「宮城……それって、あたしが他の男子と話してたり、楽しそうにしてたりするとイライラするって事でしょ?

あたしが他の男子に好意を寄せられるのが嫌って事でしょ?

それって……その気持ちって理屈じゃ片付けられなくない? ……ひゃっ?!」


確信に近付いていく気持ちに言葉を続けていると、不意に宮城に肩を掴まれてそのまま宮城の身体へと引き寄せられてしまって……

びっくりして顔を上げると、宮城の真剣な瞳があたしを捕らえていた。


すごい至近距離に、あたしは思わず目を逸らす。


「俺だって馬鹿じゃない。ただ、経験した事がないだけであって、感情がない訳でもない。

里咲の言う通り、理屈じゃ片付けられない気持ちがようやく理解できたよ。

恋するって気持ちが」

「!!!」


そう言って、宮城は親指であたしの唇をなぞる。

その手つきはまるでじっくりと触診しているようで……あたしは宮城の指を手で止める。


「……ってゆうか、恥ずかしいんですけど」

「好きな奴になら好きなだけ触れていいって言ったのは里咲だろ」

「好きなだけってっ……

違うよ!! そうゆう……観察みたいな事じゃなくて、こう……違うでしょ?!

大体なんで好きな女の子をそんな風に科学的に観察す……?? ……――――っ」


やっぱり宮城は宮城だ。

そんな風に呆れながら宮城に言っていると、突然、宮城の唇があたしの唇に重なってきて……

あまりの出来事に、あたしは目を閉じる事さえ出来なかった。



だって、だって……これって……キス、だよね??!

えぇ……


……頭が働かない。

宮城に遮られた視界が真っ暗だ。


息の仕方も分からなくて、とりあえず止めている事しか出来なくて……だけどドキドキとしっぱなしの心臓が早くも酸素を欲して、限界を感じたあたしは宮城の胸を押す。



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