【短編】恋愛モルモット~恋の価値観~


「なに?」


何事もなかったかのようにあたしに聞く宮城との距離は、まだすごく近い。

ちょっと背伸びすればまたキスできちゃいそうな距離。


涼しい顔する宮城とは反対に、絶対に真っ赤になっている顔をしたあたしはその理由を説明する。


「なにって……息が苦しかったの」

「……本来人間は鼻呼吸してるものだろ?」

「そうだけどっ……なんか緊張して上手く出来なかったの!! ってゆうか宮城も少しはドキドキしてよっ!!」

「多少緊張はしてるけど? 初めて経験する事なんだから大抵の人間は緊張するだろ」


……全然そんな風には見えないんですけど。

唖然とするあたしに、宮城は更に驚くべき言葉を続ける。


「じゃあ続けるけど」

「……はぁ?!」

「まだ皮膚が接触してただけだろ? 粘膜の……」

「ちょっと待って!! ……なんか言いたい事はたくさんあるんだけど、とりあえずその言い方はよして。

あたしの事……その、好き、なら……もうそうゆう言い方はしないで」

「……まぁ、里咲が言うならやめるけど」

「それに……」

「まだ何かあるのか?」


面倒臭そうに眉を潜める宮城に、あたしは言い難い事を告げる。

本当はこんな事いいたくないのにっ

……だけど、宮城は本気で分かってないんだ、その辺の順序とかをっ

一体どんな人生送ってきたんだよ、もう!!


「そうゆう……キスとか……その、エッチなキスとか……順番があるの。

順番っていうか、そう! 付き合ってから何日経たないとそうゆう事はしちゃダメって規則があるの」

「恋愛にか?」

「うん。……あたしの中ではね。

だから……その、キスはいいけど……その先はもうちょっと待っ」

「こんなに好きでも?」

「え……?」


もじもじと言葉を繋いでいたあたしに急遽告げられた一言。

その言葉に、あたしは宮城に視線を合わせる。


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