【短編】恋愛モルモット~恋の価値観~


「里咲……」


長いキスを終えて、なおも見つめてくる宮城の腕の中からあたしは逃げ出す。

もうこれ以上触ってたら絶対に身体が溶け出す!

それっくらいやばい状態。


背中を向けてしゃがみこんだあたしは顔を隠したまま、宮城へと注意を促す。


「感想とか言わないでよ?! 他人の粘膜がどうとか言ったらもうしないから!! 絶対しないから!!

……ってゆうか、好きな子とキスしてそんな事言ったら本当に……」


やっぱりしなきゃよかった!

宮城は、あたしの事好きだとか言っても宮城なんだもん。

あたしにとってはロマンチックなキスであっても、宮城にとっては新たな体験みたいな、科学的な感想しか出てきっこないんだっ


両手で顔を隠したままのあたしの耳に、宮城の歩み寄る足音が聞こえてきた。

そしてその足音はあたしのすぐ後ろで止まる。


その代わりに聞こえてきたのは宮城の声。

なんだかいつもよりも優しく聞こえる声……


「俺にだって感情があるんだって言っただろ?

それに、里咲が好きだとも言っただろ?

それなのに……里咲に嫌われるようなデリカシーのない事を俺が言うハズないだろ」

「……本当に? ……キスしてる最中の体温上昇がどうのとかって言い出さない?」

「言い出さないよ」


あたしの言葉に笑いながら言う宮城に、あたしはゆっくりと振り向く。

すると、宮城は今までにないくらいに優しくあたしを見ていて……あたしも照れながら微笑んだ。



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