【短編】恋愛モルモット~恋の価値観~


「……でも一言だけ」

「!!!」


やっぱ言うんじゃん!!

さっきまで赤かった顔を青くしていると、宮城はそんなあたしを見てにっと口の端を上げて笑った。

……なんかこう、ちょっと意地悪っぽく。


「良すぎて癖になりそうだ……」

「え……」


思いがけなかった言葉に返事を出来ないでいると、再び宮城の顔が近付いてきて……

あたしは目を閉じる。


さっきよりも優しいゆっくりとしたキス。

背中に回された宮城の手に抱き締められるような体勢……



ああ……なんか本当に癖になりそう。



 ※※※



「ところで里咲、おまえを苛めた奴のクラスと名前は?」

「は?」


抱き締める体勢をそのままに、いきなりそんな疑問を向けた宮城にあたしは間抜けな声を出してしまった。

苛めって……なに?


「昨日クラスの女子に話してただろ。

悪口言われただの、嫌がらせされただのって。

そいつのクラスと名前を教えろ。始末してやる」

「始末?! ……そうゆう言い方止めてよ。

ってゆうか、それ宮城の事だし。宮城があたしの事イライラするとか言うからショック受けてただけだし」

「……アレを悪口って取ったのか」

「悪口より性質悪いけどね……誰だって好きな人にそんな事言われたら落ち込むじゃん」


口を尖らせたあたしに、何故か宮城は笑みをこぼす。

それを不思議そうに見ていると、宮城はあたしと視線を合わせた。


「初めて好きだって言ったな」

「えっ……そうだっけ?」

「そうだよ。俺は何度も言ったけど里咲が言ったのは今のが初めて」


満足そうな宮城の笑みに、なんだか無性に愛しさが浮かび上がる。



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