不本意ながら、極上社長に娶られることになりました


 千晶さんを下の名前で、それも呼び捨てで呼び、この親密そうな雰囲気。


 いったい、千晶さんとはどういう関係の人なんだろう……?


「お父様が探していたわ。一緒に来てくださる?」

「ああ、わかった」


 女性に同行を求められた千晶さんが、私に目を向ける。


「つぐみ」


 そう千晶さんが私を呼んだ時、女性の目がやっと私に気付いたようにこっちを向いた。


「あの、私、お手洗いに行ってきます」


 気付けばそう口から言葉が出ていて、ふたりに頭を下げていた。

 無意識だったから、自分でもよくわからない。

 でも、この場は立ち去らなくてはいけないような、そんな勘が働いた。


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