不本意ながら、極上社長に娶られることになりました
今日みんなに会ったら、あの例の話をしようかずっと迷っていた。
突然、ふってわいたように出てきた許婚の話。
あの日のあと、一度母親と共に父親の入院している病院へと出向いた。
今は亡き祖父母の代から決まっていたという、桜坂社長と私の許婚話。
祖父母たちの口約束から始まったという話は、年月と共に正式な形となり、今は私の父親の治療に関しても桜坂社長が全て面倒を見てくれているという衝撃的事実も明らかになった。
思い返せば短大を卒業する前、就職活動をしていた頃、両親から熱心にみかど堂への就職を勧められた。
当時は何も知らずに面接を受け就職が決まりホッと安堵していたけれど、それもこの許婚が根底にあっての就職だったのだ。
徐々に明らかになってきた許婚の話。
でも、未だに本当にこの私の身に降りかかっている話なのかと疑える。
「面白いかも、わからないけど……」
私が切り出すと、みんなが一斉に注目をする。
六つの目が向けられて、落ち着くために一口ワインを喉に流し込んだ。