不本意ながら、極上社長に娶られることになりました


「いやいや、うち、普通の一般家庭だよ」

「え、でもそういう話って普通の家にはなくね?」

「うん……親というか、祖父母の決めた話だっていうから、私もよくわかってないというか……」

「で、で、相手ってどんな人なの?」


 凛香はその相手が気になるらしく、急かすような口調で訊いてくる。


「相手は、今勤めてる会社の、社長なんだけど……」


 私のその発言に、凛香は「えっ!」とまた驚きの声を上げる。


「うっそ、ますますすごい話になってきた! え、年上? だよね?」

「うん、たぶん二十後半から、三十代かと……」


 そういえば、桜坂社長って何歳なんだろう……?

 見た目が整っているから、年齢の予想が難しい。

 私より少し上くらいと言われても納得できるし、かといって三十代と言われても醸し出ている大人の魅力にやっぱりと頷ける。


「おいおい、マジかよー。案外、この中で一番早く結婚するのってつぐみだったりして?」

「案外じゃないじゃん、絶対につぐみが一抜けだよー」


 篤志と凛香がわいわい盛り上がるのを前に、どう反応すればいいのかわからず苦笑いを浮かべてしまう。

 修哉は特にこの話題に興味もないようで、ひたすらお肉に舌鼓を打っていた。

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