不本意ながら、極上社長に娶られることになりました
買い物した何個かの紙袋は車の後部座席に載せられる。
「ありがとうございます……」
ドアがダンと音を立てて閉められると、桜坂社長は後方で見ていた私の背に手を添え、助手席へと連れていく。
車に乗せてもらうと、後部座席をなんとなく振り返った。
結局、全部買ってもらってしまった……。
私がお財布を出す隙も全く与えず、桜坂社長は全ての店舗でスマートに支払いを済ませていた。
私が接客についてくれたスタッフとやり取りをしているうち、他の手の空いたスタッフに声をかけて、彼女の購入するものはこれで、とカードを出していたようだった。
いざお会計を、と思うとすでに済んでいて、「ありがとうございました」と見送られてしまうパターンばかりだった。
少し前も、こんなに買ってもらうのは……と声をかけたけど、軽く受け流されて取り合ってもらえなかった。