つまり、会いたいんです。
「み、見えてた?」
「そんなに。見せてくれてもいいよ」
榛瑠が笑いを含んだ声で言う。
「見せません」
見せるほどのものもありません。

「残念。その服、ネグリジェ?かわいいね」
「そ。そう?」
一花はもう一度視線を下に落とした。

「うん。ここでは着ないよね、そういうの」
そういえばそうだ。
榛瑠の家では近所なら出られそうな部屋着を着ている。
「だって、この家だともう部屋から出ないし…」

屋敷では一度寝支度して寝室に入ってしまうと、基本的には自室からはもう出ない。
でも、榛瑠のとこでは家の中ウロウロしてるから、部屋着じゃないとへんな感じがする。

「気にしなくていいのに」
「そうなんだけど……習慣というか……」
「知ってるけどね」
だよね。

「ああ、そうだ。一花が今度来る時のために、買っておこう」
「何を?」
「ネグリジェ。あと他にも…。下着買ってみようかな。サイズ上がった?」
「上がってない!いらない!やめて!」
恥ずかしいじゃない!

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