つまり、会いたいんです。
「えっとー」

「会えなかった期間の前?」
榛瑠は肉を盛り付けた皿を一花のテーブルに運びながら言う。

「それよりもっと前の、再会した頃?出て行った時?高校?中学?初めて出会ったガキの頃?それより前?」

「そう細かく言われても…」

皿を置いて横に立つ榛瑠を見上げると、彼らしいちょっと意地悪な顔をしていた。

「たった今、嫌いになる前ですか?それともあなたが私を好きになるより前?」
「……」
「いつがいいの?いつから気に入らない?」

そう言って一花を見る。笑いを含んだ悪戯っぽい目をしている。

「そんなのっ」

あーもう!言い返したのが間違いだった。勝てるわけないのに。
だって…。

「もう、そのままでいい!気に入らない時なんてないわよ。初めっからずっと好きだったわ。ずーっと意地悪だったのに!バカ!」

榛瑠が声を出して笑った。顔がくしゃっとなって少年の面影が横切る。

窓からの光がグラスに反射してキラキラと煌めいている。

                     〈了〉 
   
    
                     2020/7
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