つまり、会いたいんです。
一花はスマホをベットに置いて自分も横になった。一花の部屋は天井灯がついていて明るい。でも、なんだろう、まだ繋がっているのに寂しい。

「お嬢様?いる?」
一花は慌てて起き上がって画面を覗き込んだ。
「あれ?もういいの?」
時間にして一分くらいしか多分たっていないだろう。

「ええ、美園だったから速攻切りました」
「え…」

あんまり好印象のない、というか、はっきり言って榛瑠の口から出て欲しくない名前を聞いて一花はつい低い声が出た。

「よく電話してくるの?」
「あの人も今回ばかりは大人しく家にいるようで、ストレスたまってるんですよ。こちらからも面倒臭い仕事を頼んでるし。私に愚痴ってうるさくするのがストレス解消だから、内容は聞いてないけど一応相手はしてるかな」

「ふーん」
私には電話してこないくせに。メールとかのテキストだけのくせに。そうですか、ふーん。

「お嬢様?」
「……なんでもない。仕事頑張ってね」
ありがとうございます、と榛瑠は微笑んだ。
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