オオカミ社長と蜜夜同居~獣な彼の激しい愛には逆らえない~


一慶は心配そうな顔をして美紅の髪を撫でた。


「いっくんのおかげでたくさん売れるようになってうれしいの。だからいっくんは責任を感じないでね」


一慶のアドバイスがなかったら、自分の作品はたくさんの人の目に留まらなかっただろう。作ったそばから飛ぶように売れるなんて、絶対にない未来だ。

今、美紅はその未来にいて中身の濃い時間を過ごしている。

そのうちきちんと佐和子に話そうと考えているうちに日が経ってしまったが、店の仕事を減らして、もう少しアクセサリー作りにあてられたら……とは考えていた。


「おねえちゃんにも機会をみて話してみる」
「そうしたほうがいい」


一慶はそう言ってホットココアの入ったカップをテーブルに置き、キスをひとつ落として自分の部屋に戻った。

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