だれよりも近くて遠い君へ
滑らかなメロディに、夜空を思い浮かべる。
早く夜になればいいのに。
眩しい光も、陽気な温かさもいらない。
暗く静かな夜が欲しい。優しく輝く星を見たい。

コンビニの、聴きなれた音楽を耳にしながら、コンビニに入る。
強めの炭酸と、大好きなラムネを持って、レジに行く。
完全に遅刻だけど別に気にしない。
レジのお兄さんにお礼を言ってから、コンビニを出る。
しつこいんだけど、これは常識だからね。お礼は大切だよ。

「うわっ、なんでいるの」

「春がコンビニ行くって言ったんだろ」

「バイバイって、したよね?」

笑顔でしたと思うんだけど、なんで付いてきてんの?

「俺は返事してないだろ」

なるほどね、俺はいいって言ってないから、離れないんだ。
本当にめんどくさい、この幼なじみ。

「はいはい、ごめんね。返事も聞かなくて。ってか、さくは単位やばいんじゃないの」
< 4 / 38 >

この作品をシェア

pagetop