マリンブルーの囁き



図書委員会で知り合った2つ年上のサッカー部の先輩に、私は密かに想いを寄せていた。


その先輩は顔立ちも整っているうえに大学の推薦を貰えるほどにサッカーの素質もあり、常に女子生徒が騒ぎ立てるような人だった。


去年に引き続き図書委員を任されていた先輩は入学したばかりで右も左も分からなかった私を気遣って、業務を手取り足取り教えてくれた。


そんな先輩に惹かれていくのに、そう時間はかからなかった。



先日その先輩に、“映画でも行かない?”と誘われたのだ。意中の人からの誘いに舞い上がるなと言う方が無理なことだろう。

この時の私は、どこをどう見ても舞い上がっていたし浮き足立っていた。
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