マリンブルーの囁き
夏向が私を探しに此処まで来るということが、それを物語っていた。
他人に全くと言っていいほど興味を示さない夏向が、わざわざ自分の時間を割いて誰かを探すなんてことは絶対にしない。
今まではなんとなく感じていた程度のそれは、夏向が私を見つめるその瞳でたった今、確信へと変わった。
「……瑠璃」
私の手首を掴む夏向の手にぐっと力が籠められる。
夏向が次に何を言おうとしているのかを想像することは容易かった。
そんな風に“男”を露出している瞳で見つめながら、口にすることなんてひとつしかない。
きっと、先輩が簡単に口にしたあの言葉を、夏向も言うに決まっている。
ああ、ほら。
言うんでしょう?
“好き”だって――……
「……泣いて、いいよ」