マリンブルーの囁き
どのくらいそうしていただろう。
立っていたはずの私たちは、いつの間にか砂浜の上に座り込んでいた。
まるでしがみつくように抱きついていた身体を離すと、夏向のシャツの胸元がぐっしょりと濡れていて、慌てて声を上げる。
「っわ、ごめん!鼻水付いちゃったかも…っ」
「いーよ。慣れてる」
慌てふためく私とは対照的にいつもと何も変わらない声のトーンでそう言った夏向。その返事に無意識に口が尖がっていく。
「…何それ。いつも私が泣いてるみたいな言い方しないでよ」
「よく言うよ。泣き虫のくせに」
すっかりいつもの調子に戻った私に、夏向もいつものように悪態を吐いてくる。
だけど片腕は私の腰に回ったまま、もう片方の手で優しく涙の跡を拭ってくれている。