マリンブルーの囁き




「…ねぇ、夏向」


ポツリ、零れ落ちるような響きで語りかけた私の声に、夏向が反応して伏せていた視線を上げる。

返事はしなかったものの、ゆるく首を傾げて私の言葉を待つ夏向は、いつもより少し幼く見える。



シャツから覗く綺麗な鎖骨。

その少し斜め上の方で輝きを放つマリンブルーのピアスは、私がプレゼントしたその日から、一日も途絶えることなくその耳で光り続けている。



「私の誕生日に、ピアスちょうだい」


突然そんなことを言い出した私に夏向はほんの少し目を見張ったけれどすぐにその薄い唇を動かした。



「…別にいいけど瑠璃、ピアス開けてないじゃん?」

「その時、夏向が開けてよ」

「…痛がりなのに大丈夫なのかよ」

「大丈夫だよ」



ムキになって声を大きくしてそう言えば、夏向は「はいはい」と、やれやれといった感じで相槌を打つ。


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