愛妻御曹司に娶られて、赤ちゃんを授かりました



五月半ばの日曜日。
住んでいる街にある小さなチャペルで私と佑は結婚式を挙げた。

レンタルしたウエディングドレスはまだお腹が出ていないので、スリムなラインのものが入った。髪の毛もメイクも自前。里乃子さんがベールなどは手伝ってくれた。
佑もレンタルした黒のタキシード姿だ。

私たちが当初計画してきた結婚式は何百人も呼んでの式だった。ウエディングドレスもタキシードもセミオーダーしていたものをキャンセルしたので、全額ではないけれどかなりの額を支払った。
結婚式をすると決め「あれ、もったいなかったねえ」と笑い合ったけれど、このレンタルのウエディングドレスだって、充分だ。ふたりの角出の正装という意味なら。

「咲花、綺麗だ」
「佑はかっこいいよ」

チャペルの小さな控室で着替えた私たちは、お互いの姿を見て思わず笑ってしまった。
絵に描いたみたいな新郎新婦なんだもの。結婚式をするんだから当たり前だけど、一度式を諦めた私からしたら、このいかにもな正装は面白く映ってしまう。

「なんだか楽しいね」
「ああ、楽しい」

私たちはきっと浮かれているんだと思う。
小さなチャペルで、ささやかな結婚式を、ふたりのためだけにあげるなんて。
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