愛妻御曹司に娶られて、赤ちゃんを授かりました
「そういう言い方で咲花を揺さぶろうとしたお袋に功罪があるよ。咲花の優しさにつけ込んでる。ごめんな。苦しめたな」
「ううん、私、佑と生きていくって決めたのに、不安になってしまったの。ごめん」
「咲花といるよ。どんな形でもずっと。じいさんになるまで」

佑の腕の中はあったかい。私と赤ちゃんを守ってくれる頼もしいパパの腕だ。
そうだ。私は佑を選んでいい。愛情に勝るものは世界に存在しないのだから。

「咲花、結婚式をしないか」
「え?」
「キャンセルしちゃっただろう?でも、俺は咲花のウエディングドレス姿が見たい。ふたりの節目に結婚式をしよう」
「佑」

その気持ちが嬉しい。私は佑にしがみついた。

「ありがとう。うん、私も結婚式挙げたい」
「傑と里乃子さんを呼んでさ。小さな式になっちゃうけど」
「それがいいの。それが一番いい」

私は佑の胸に顔を押し付け、やっと安堵の吐息をついた。
涙は止まり、幸福が胸の奥から溢れてくるようだった。

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