もっと秘密なラヴシークレットルーム 日詠医師の溺愛ぶりは糖度高めで要注意?!


『それに、お前に食ってもらわなきゃいけないほど伶菜は困ってない。』

「なんでだよ。日詠さん、忙しすぎて、伶菜が干からびかけているんだろう?ダメだよ。伶菜、まだ若いんだから。だから、俺が」

『伶菜は今朝4時まで俺が・・・だからお前は必要ない。弁当、こっち寄越せ。』

「4時までぇ?その上、弁当まで作ってもらうなんて羨ましすぎだろ!あ~、俺は間違えた。なんであの時、日詠さんに遠慮せずに伶菜をかっさらわなかったんだろう・・・いい人過ぎるだろ、俺。」



旦那の俺の前でも、まったく遠慮のない伶菜愛を語る、森村
俺と伶菜が結婚後も、伶菜に対する猛獣ぶりも変わらない
とりあえずこいつに伶菜が食われる事態までには至っていないから、今のところ放置しているけれど
こいつに下手に遠慮とかされるのも調子が狂うし・・・
そういう遠慮のない彼がいるから、俺も彼に対して遠慮しないで付き合うことができている
俺も一応、腕を認めている整形外科医師で伶菜の怪我を完治させてくれた恩人のひとりだしな



『あの時か・・・さすがに俺もお前の行動には正直参った。』

「そうなの?」

『ああ・・・伶菜を大事に想っていることが嫌というほど伝わってきたしな。』

「へえ~。俺の伶菜愛、伝わっていたんだな。それに、せっかく、俺が手を緩めたことであんた達のヨリが戻ったと思ったのに、まさかの別れに至ったなんて、話を聞いたときは嘘だろって思った。」

『俺も、あの後、何度も思った。本当に別れてよかったのか?・・・ってな。』


俺と伶菜が別れた時のことを森村が口にしたことによって、あの時の自分を想い出してしまった。



俺が想い出した ”あの時”


当時、俺と婚約状態であった伶菜
でも、その頃、俺は後輩女性医師の美咲が悩み苦しむ姿に寄り添い、フォローすることに忙殺されていて、伶菜との結婚が進まず足踏み状態だった
そんな中、伶菜が手の怪我をして、彼女の主治医となった森村が彼女に惚れ、俺から伶菜を奪い獲ろうとしていた
でも、伶菜は彼の手を取ろうとはしなかった
彼だけではなく、俺の手も・・・
彼女が抱いた未来の夢に向かって歩み始めるために

伶菜が夢に向かって歩み始めた後=あの後
俺は彼女を手放した後から押し寄せてきた寂しさに負けそうになり始めていたところだった

その頃、俺にはこんなことがあった
< 32 / 79 >

この作品をシェア

pagetop