もっと秘密なラヴシークレットルーム 日詠医師の溺愛ぶりは糖度高めで要注意?!
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「おい、昔の自分に想いを馳せるのは悪くないが、俺、放置プレイ、いつまで続けられるんだよ?今朝の4時まで、レイナとしっぽり過ごしたからって、目、開けたまま寝ないでよ~。」

『悪い、悪い。』

「レイナと別れた時のこと、想い出してただろ?あの頃みたいな死んだ目してた。」

『凄いな、お前、エスパーか?』



過去の自分を想起していたせいで、放置しておいた森村をとりあえず褒めてやったら、とうとう彼に弁当箱の中の伶菜お手製の筑前煮の椎茸を奪われた。

ニシシと笑ってから、椎茸を口の中に放り込んでもぐもぐと咀嚼する彼。
本当に美味そうに食いながら、デスクチェアに腰かけて俺のほうへ再び近付いて来た。



「そういえば、レイナがさ、臨床心理士になって城北病院に入職するって知ったのはいつよ?」

『伶菜が入職する前日』

「は?じゃあ、うちの病院に異動することが決まったのは?」

『それも伶菜が入職する前日。』



産科医師の俺が持っていなかった、妊婦への専門的なメンタルフォローができるというピース
そのピースを持っている可能性を秘めている人物・・・それは俺の心の中に居続ける人である伶菜だった

それを知ったのは、彼女の友人の真里さんが俺の外来診察室へやってきたことがきっかけ
それは俺と別れた後、伶菜が叶えたい夢が臨床心理士になることであることを真里さんから間接的に教えてもらったことだった



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