もっと秘密なラヴシークレットルーム 日詠医師の溺愛ぶりは糖度高めで要注意?!
report 5:Reina's eye:彼から離れていた頃の私は・・・
【report 5:Reina's eye:彼から離れていた頃の私は・・・】
「伶菜、はい、コレ。」
『手紙?ありがと。』
ある日の夕方。
珍しく早く帰宅したナオフミさんが玄関先の郵便受けに入っていた郵便物を手にして、家の中に入って来た。
「今年は名古屋なんだな。臨床心理の全国学会。」
『あっ、そうそう。でも、わざわざ案内ハガキ来るんだ。』
「来るのか?あいつも。」
『あいつ?』
「・・・達也くん。」
達也くんの名前がナオフミさんから聞かされたことに密かに驚いた。
達也くんとナオフミさんの接点なんてあったっけ?と首を傾げる。
「覚えてないのか?大阪の学会。」
『あ~、ナオフミさんが迎えに来てくれたんだっけ?ホテルをちゃんと予約していたのに、わざわざ来てくれて・・・泡風呂に一緒に入ったね!ナオフミさんが執事になって、あんなことまでしてくれて・・・うわ~、ちょっとどうしよう・・・』
「そこは覚えているんだな。」
『覚えているよ~、ナオフミさんの執事ぶりは新鮮だったもん。しかも、まさかのエッチな執事!』
大阪での臨床心理の全国学会の懇親会で、どうやら飲み過ぎてしまった私。
目を覚ました時になぜか名古屋で子供達と留守番しているはずのナオフミさんが目の前にいて、ホテルまで連れていってくれたんだっけ?
「そこじゃないだろ、覚えておかなきゃいけないのは。酔っぱらってホテルの部屋で達也クンに介抱されて寝ていたことのほうが問題。」
あ~、ナオフミさんが達也くんのことを知っている理由がようやくわかった
というか、いくら自分が酔っぱらっていたとはいえ、いくら達也くんが友人だったとはいえ、人妻である私が異性の友人に介抱されながらホテルの部屋で眠っていることは問題であることは間違いない
『あの時はごめんなさい。でも、達也くんは友達だから・・・』
「友達・・か・・・。伶菜の中ではそういう人物なんだな、達也くんは。」
『えっ?どういうこと?』
伶菜の中では・・というナオフミさんのその言葉がひっかかる
ナオフミさんの中では、そうじゃない・・・とでも言いたそうな感じ
ホテルの部屋で達也クンに見守られながら私は寝ていたワケだから
そうじゃない・・って疑われても仕方ないのかな?
大阪の学会の時も、達也くんと私は・・・友達という関係だったのに
「実は俺が初めて達也くんに会ったのは、大阪のホテルじゃなくて、君達が院生だった時なんだ・・・」
『えっ?』
「達也くんは俺に会いに来た。俺がどういう人物なのかを知るために。」
『会いに来たって・・・・』
私が知らなかった達也くんとナオフミさんの接点
その存在をナオフミさんから聞かされたことによって、私は心の奥にしまったままだった達也くんとの過去を想い起こさずにはいられなかった