【短編】M e m o r y
Memory【1】
ある秋の日曜日の午後。
私は部屋の掃除をしていた。
けれど、本棚の整理をしていたら
アルバムを見つけ見入ってしまった。
清掃時に良くある光景だ。
一人っ子の私は、昔からたくさんの写真を撮られていた。
父は写真家だし、
母は“思い出を残すことは大切”と言って写真大好きだし。
だから人よりアルバムの冊数は多かった。…と、思う。
私のアルバムは7冊。
その中の一つに、中学の卒業アルバムがあった。
「懐かしー!…って言っても1年前のことだけど」
今、私は高校1年生。
卒業してから1年しか経ってないのに、もう卒アルを眺めてる自分って…
相当寂しい女って感じ。
「みんな元気かなー…」
それでも卒アルを見続ける。
部屋の掃除のことなんか忘れて。
結構な時間が経って、ずっと曲げていた腰を伸ばしていい気持ちになっていたそのとき。
〜♪〜♪〜♪〜♪
机の上に置いていた携帯が音を鳴らした。