羽を失くした天使 ~祐一の場合

結ばれてからの 麻里絵は

どんどん 綺麗になっていく。


麻里絵を 求める 俺の目にだけ

そう映っていたのかも しれないけど。

俺は どんどん 麻里絵に捉われていった。


「まり。スカート短くない?」

「えー。これ この前も 履いていたよ?」

「そうだっけ?まりの脚 他の人に 見られるの ヤダなぁ。」

「祐一君?誰に 嫉妬してるの?」

「俺以外の男 全部。」

「フフ。そんなの 全部 興味ないのに。でも 祐一君が 嫉妬すると 可哀そうだから これからは デニム履くね。」


麻里絵は 俺の独占欲も 迷惑がらず。

むしろ 愛の証しだと言って 喜んだ。


秋になると 俺達は よく散歩した。


皇居の周りや 神田川沿い 小石川公園…

神宮絵画館前の広場が 麻里絵のお気に入りで。


銀杏の季節 麻里絵は 

何度も 銀杏並木を 歩きたがった。





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