羽を失くした天使 ~祐一の場合
過ぎ去った思い出は 綺麗に感じるけど。
でも俺は 付き合っている時も
麻里絵に 不満なんか なかった。
麻里絵は 可愛くて 優しくて。
「祐一君は?」
と何をする時でも 必ず
俺の気持ちを 聞いてくれた。
麻里絵に 頼られている 自覚が
俺を 成長させていたことには 気付かなかったけど。
麻里絵が どんどん 綺麗になるように
俺も 自分に自信が 持てるようになっていた。
「最近 祐一 しっかりしてきたな。」
バイト先でも 店長や栄太さんに そう言われ。
それを喜ぶ 麻里絵の笑顔が 嬉しかった。