じれったい恋愛…~運命の人に気づくまで~

30分くらい、席に座っていただろうか。

その間は目が合うと、微笑み、合図した。

私が近くを通るときには、声をかけた。


『ポテトの塩加減とかどう?
大丈夫?』


『うん、美味しいよ!』


『なら良かった!
ゆっくりしていってね!』


そんな会話を仕事の合間にもこっそりしたりした。



そうして彼は帰っていった。

帰り際に、

『また緑川さんがいるときにでも、来てみるよ!
じゃあ、夜まで頑張ってね。気をつけて帰るんだぞ!』


そう言いながら、私の頭をポンと撫でた。

そうして店を出て、薄暗くなった夕方の町を自転車で帰っていった。


< 103 / 317 >

この作品をシェア

pagetop