じれったい恋愛…~運命の人に気づくまで~
30分くらい、席に座っていただろうか。
その間は目が合うと、微笑み、合図した。
私が近くを通るときには、声をかけた。
『ポテトの塩加減とかどう?
大丈夫?』
『うん、美味しいよ!』
『なら良かった!
ゆっくりしていってね!』
そんな会話を仕事の合間にもこっそりしたりした。
そうして彼は帰っていった。
帰り際に、
『また緑川さんがいるときにでも、来てみるよ!
じゃあ、夜まで頑張ってね。気をつけて帰るんだぞ!』
そう言いながら、私の頭をポンと撫でた。
そうして店を出て、薄暗くなった夕方の町を自転車で帰っていった。