じれったい恋愛…~運命の人に気づくまで~
何だろう、この気持ち…。
すごく心があったかい…。
それに嬉しい。
なんでかなぁ…。
きっと中島君の優しさに触れたから?
彼は優しい人だ。誰にでもああやって優しいんだろう。
別に私だけが特別に優しくされた訳じゃないはず。
勘違いしちゃダメ!うぬぼれるな!
そう、自分に言い聞かせ、邪気を払った。
彼が帰って仕事に戻ると、またあのバイトの先輩が声をかけてきた。
『なーんか!あのお友達といい雰囲気だったじゃーん?』
『えー?そうですか?
あの人は優しい人だから…!』
『そうか?でも、あれはみっちゃんにだけ特別の優しい顔に見えたけど?』
『もう~、からかわないでください!
あの人はみんなに優しい人なんです!』
『そうかー?あれは違うように見えたけどなぁ…』
『もう、違いますって!』
『でも、あの人、けっこうカッコ良かったよね?
何か運動とかやってんの?』
『あ、はい。陸上部です!』
『そっか~、道理でみっちゃんと違って細いと思ったー!(笑)』
『もう~!自覚してるから言わないでください~!!』
本当にバイト先の人たちはみんな、こんな冗談を言い合う、楽しくていい仲間だなと思う。