じれったい恋愛…~運命の人に気づくまで~

大きな声で笑いながら話している人たちを横目に私は自分の席に座る。


少しして私のもとに岩山君がやって来た。


『なぁ、みっちゃん、今日の放課後ちょっと時間ある?』



数週間ですっかり慣れた心地よい関西弁で話しかけてきた。



『今日、放課後さぁ、悪いんだけどちょっとでもいいから時間くれない?』


『うん?どうして?』


『いやぁさ、ちょっと隆がな、みっちゃんに話があるんだよ。

なあ、ちょっとでもいいから、あいつに時間あげてくれへん?』


『うーん、わかった』


(どうして隆君が私に用事なのに、岩山君がお願いにくるんだろう?)



隆君というのは石田 隆君。



みんなから下の名前で《たかし》と呼ばれている。


隆君は岩山君たちと仲良しの明るい人たちのうちの一人だ。
私とはほぼ話した覚えもない。


そんな隆君が私に話ってなんだろう?


そう思いながら、放課後、指定された2Fの空き教室に向かう。



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