じれったい恋愛…~運命の人に気づくまで~
先輩が引退してから数日が経った。
3年生が抜けた野球部は何だか寂しく見えた。
クラスメートと廊下を歩いていると、中島君とすれ違った。
目が合い、お互いにいつもと同じく微笑み、小さく会釈した。
教室では、相変わらずあの元気な笑い声が聞こえた。
時々、岩山君が私に話しかけてくることも変わっていない。
もうすぐ夏休みを迎える学校は、みんなの気持ちが長い休み前でゆったりに見えた。
休みに入ると、学校で先輩に会うことはなくなってしまう。それを思うと、休みになってほしくない気持ちにもなった。