じれったい恋愛…~運命の人に気づくまで~

夏休みに入り、私はいつもよりバイトを増やした。

学校の日は夕方から入っていたバイトも、休みの日と同じ様に朝から夕方までの日が増えた。

時々は夕方から夜までの日もあった。


先輩に会えない…。辛い休みが始まった。



夏休み中にも1、2年生の部活はあった。

私たちの部はほとんど活動してないが、数日は部活の日があった。

そんな日は、久しぶりに教室の窓から校庭を見たりした。

校庭に目を向けると、細々と3年生のいない野球部が活動していた。

真ん中辺りではサッカー部、手前では陸上部が活動していた。

サッカー部には隆君と仲良しの熊倉君がいた。

熊倉君は岩山君と同じく生徒会に入っており生徒会長に立候補するような、活発な人だ。
声も大きく、ハキハキとしていて、明るい。


私がグランドを見ていると、熊倉君が私に気づいて手を振ってきた。


『みっちゃーん!

今日はどうしたの?何で学校にいるのー?』


と大声で話しかけてきた。


私も普段は出さない大声を出して答えた。


『部活があったのー!』


『えー?部活ー?

そうなんだー!』



そう言って、大きく手を振ったあとサッカー部の活動へと戻っていった。

手前の陸上部へ目をやると中島君たちが暑いなか練習していた。


チラチラと中島君がこちらを見る。

そばにいる友達もこちらをみて、何やら中島君ににやけながら話をしている。

それに対して中島君は笑いながらその人をたたき、逃げ回るその友達を追いかけた。


その様子を見ていた私は、夏休みの間も、暑さのなか、みんなが元気にしていることが分かり、ホッとした。

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