一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
「そう? よかった」
笑う拓海を見て胸がざわつく。
これも、実花子を好きにさせよう作戦の一環。拓海自身の気持ちはさておき、実花子の気持ちを自分に向けようと躍起になっているからここまで一生懸命なのだ。
そう思い、鼓動の誤作動を鎮めようと試みる。これでは拓海のペースにすっかりはまるばかりだ。
うっかり好きになったら泣きをみるだけ。妻の座を得られても拓海の愛は与えられないのだから、こんなところで絆されてはいけない。
「それじゃ、そろそろ行こうか」
先に立ち上がった拓海が、実花子を立たせようと椅子を引いた。
腰を浮かせたときに目眩を感じ、そのまま一気に立ち上がると今度は体がフラッと揺れた。咄嗟に拓海が腕を掴んだため、床に手を突くような事態にはならずに済みホッとする。
「大丈夫?」
「ちょっと飲みすぎたみたいです」